ヒョウモントカゲモドキの飼育方法
ヒョウモントカゲモドキの飼育例について紹介したいと思います。
ヒョウモントカゲモドキは、地上性でパキスタンなどの中東に生息するトカゲです。
ヤモリ科に属する仲間でありながら、トカゲのような出で立ちをしていることから「トカゲモドキ」という名が付いています。また英名では「レオパードゲッコウ」といい、略した愛称は「レオパ」と呼ばれています。
外見はとても可愛く、ヤモリにはない瞼(まぶた)を持っています。
体はとても丈夫で飼育がしやすことからとても人気が高く、爬虫類の中でも群を抜いて有名です。毎日のお世話を通して次第に懐いてくるようになります。
レオパのよくある質問
・初心者でも飼育可能ですか?
可能です。
ペットショップで売られている個体はとても大人しく、ハンドリングさせても暴れることは少ないです。毎日呼びかけることで飼い主の顔を覚えてくれます。
みなさんがよく知っているニホンヤモリの指裏には吸盤(趾下薄板)のようなものが付いていて、壁面を垂直に登ることができます。しかし、ヒョウモントカゲモドキ の指裏には吸盤(趾下薄板)のようなものはなく、トカゲの足に似ています。そのため、蓋を空けてすぐに逃げ出すということは滅多にありません。
・特徴を教えて?
体表はヒョウ柄模様をしていて、細かな鱗と粒状の鱗に覆われています。尻尾は太く脂肪を蓄えています。栄養状態が悪いと尻尾が細くなります。一般的なトカゲと同じように「自切」を行い逃亡することがあります。指はの裏には趾下薄板はなく、トカゲのような足をしています。腋下には目立つ窪みがあります。頭部は頭が広く比較的大きな餌を食べます。
・寿命はどれくらい?
約10年間生き全長は20cm程に成長します。飼育環境によってはこれ以上に長生きすることがあります。
・脱皮の期間について
脱皮の前後は餌を食べなくなります。これは自身で脱皮した皮を引き千切って食べるためだと考えられます。脱皮前の外見的特徴としては体全体が白っぽくなります。そのようになったら餌を与えるのをやめてください。基本的に無理に皮を剥ぐようなことはせずに自力で剥ぎ終わるのを待ちます。体をこすりつけることができる石や木などのオブジェを必ず設置してあげてください。
よく水をかけて剥がしやすくしようとする方がいますが逆効果なので注意してください。ある程度の脱皮が完了し残っている皮があれば飼い主の方が取ってあげても良いです。
・保温対策について
レオパなどのトカゲは、変温動物であり自身で温度調節することが苦手です。また冬場は寒くなるため保温対策が必要です。隠れ家の位置またはケージの半分を保温できるようにパネルヒーター(目安:27〜28℃)を配置してください。ケージ全体を保温すると、トカゲの逃げ場がなくってしまうため必ず残り半分は熱を逃すスペースを設ける必要があります。
・餌は何がいいのか?
コオロギ、ミルワーム、ミミズ、人工フードなどです。
レオパの餌としてオススメなのは栄養価が高くて食いつきがよいコオロギです。
特にヨーロッパイエコオロギは、ストックしやすく栄養バランスが優れています。
餌をなかなか食べてくれない時は、ピンセットで餌を摘んでゆらゆらとトカゲの口元で動かすのがコツです。本能で動くものにガブリと食いつきます。
・品種はいくついますか?
ヒョウモントカゲモドキ の魅力の一つに多様な品種があります。体色はヒョウ柄だけでなく、より黄色が強く表れているハイイエロー、ミカンのような色合いのタンジェリン、色彩変異で黒色を欠損したアルビノ、全身が白いブリザードなど多くの品種が存在します。
このような表現型の違いを「モルフ」と呼びます。モルフには色彩変異、模様の変異、目の変異、大きさの変異があり、これらを掛け合わせた表現型を「複合モルフ」などと呼びます。
・近縁種はいますか?
ヒョウモントカゲモドキにはいくつかの近縁種が存在します。
オバケトカゲモドキ、ヒガシインドトカゲモドキ、トルクメニスタントカゲモドキ、ダイオウトカゲモドキがいます。ダイオウトカゲモドキはインド西部に生息し、全長30cmを超える個体もいます。
・レオパが餌を食べない?
ヒョウモントカゲモドキを飼育しているとありがちなのが餌を食べなくなることです。
いくつかの要因が考えられます。それらを挙げてみます。
・脱皮前で食べない
・室温が寒くて半冬眠状態
・餌が新鮮でない
・何らかの病気
ほとんどの場合、保温シートを敷いて温度を上げることで解決すると思います。また、脱皮前になると餌を食べなくなりますのでしばらく様子をみるとよいです。ミルワームやコオロギを与えている方は、別の新鮮な活き餌に変えてるやると食いつくことがあります。
稀に寄生虫にかかって口元に異変が生じることがありますので、その際はすぐに病院へ連れて行って抗生物質を処方してもらってください。
ヒョウモントカゲモドキ(品種:ブリザード)

全体が薄白いモルフのブリザードです。お迎えしたときに比べてやや黄色くなってきました。黒点もできていますね。
写真は我が家で飼っているレオパ君です。オス。かれこれもう9年以上生きています。
(写真:2020/9/1撮影)
ヒョウモントカゲモドキの飼育例と飼育用品

【必要な飼育用品】
・ハウス
・水入れ
・砂入トイレ(無くてもOK)
・餌入れ
・オブジェ
・下敷きにキッチンペーパー
・ヒートシート(冬場のみ)
(写真:2020/9/1撮影)
本来は下敷きにサンドマットを敷くのですが、あちこちに砂が飛んでしまい掃除が大変です。また、餌と一緒に砂を食べると腸閉塞になるリスクがあるため必ずしも必要ありません。
そのため、床材としてキッチンペーパーのような柔らかくて丈夫でザラザラしているものが最適です。
オブジェなどの石を入れる理由は、脱皮の際に体を擦り付けるのに必要です。
忘れがちな温度管理

意識してないとついつい忘れてしまう温度管理です。人が感じる体温とは異なりますので飼育ケージの側に置いておく分かりやすいです。室内温度は25〜27℃、パネルヒーターの部分は27〜28℃が目安です。
ヒョウモントカゲモドキは暗くて狭い場所を好き

日中は紫外線を避けて暗い岩や穴の中に潜ります。
写真は隠れ家に逃げ込もうとしている様子です。
(写真:2020/9/1撮影)

ヒョウモントカゲモドキの栄養補給のための粉末

【あると良いもの】
・カルシウム(粉末)
・マルチビタミン(粉末)
爬虫類用の栄養剤です。
ミルワームや乾燥エサだけでは、食事が偏ることがあるのでカルシウムやビタミン不足を補う必要があります。
粉末は餌にまぶしたり、極少量を餌入れに置いてあげると自分で舐めてくれます。
(写真:2018/8/19撮影)
これは活きエサで不足しがちな栄養素を補うためでしたが、最近の固形フードやゲルタイプのものは栄養価が高く必ずしも必要ではなくなりました。
ヒョウモントカゲモドキのための人工フード「レオパゲル」

レオパゲルは、昆虫食の爬虫類に向けて作られたジェル状の総合栄養食です。活き餌が苦手な飼い主に人気。
原料にはシルクワーム、ミルワーム等が使用された国内製品です。
開栓後、しばらく保存が利くため活き餌が欠品したときに役立ちます。
<左図はレオパゲルを与えた時の様子>
ジェルは少し千切れにくいのでピンセット等で切ってあげると食べやすいです。
(写真:2019/6/3撮影)
ヒョウモントカゲモドキのための人工フード2「レオパブレンド」

レオパブレンドは、固形タイプの人工フードです。このままでは食べられないのでぬるま湯に3分浸けてふやかします。
常温で長期保存ができ、原材料の47%は昆虫主体なので必要な栄養素が確保できます。
おそらく爬虫類全般に与えることができます。
口元でゆらゆらしてやるとガブッと喰いつきました!(写真:2020/9/1撮影)
お掃除や餌やりの際にあると便利な飼育用品セット

【必要なもの】
・ピンセット(餌を与える際に便利)
・プラケース(水換えや掃除の時に便利)
・キッチンペーパー(下敷き)
・綿棒入れ(コオロギなどの餌入れ)
ピンセット(先端が鋭くないもの)は、コオロギをつまむのが苦手な方、また掃除の時に頻繁に使うアイテムです。必ず用意しましょう。
(写真:2018/8/19撮影)
他にも家にあるもので飼育に役立つものがたくさんあります。
ジャムの空き瓶や蓋、使い捨ての歯ブラシなど。
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