コオロギは栄養バランスに優れた万能な餌です。
主にペットショップやホームセンターで売られています。そのほとんどは「ヨーロッパイエコオロギ」と「フタホシコオロギ」です。
コオロギは、カエルやヒョウモントカゲモドキなどの爬虫類の餌に最適です。また、最近ではコオロギの食用にも注目が集まっています。
僅かなスペースと虫カゴがあれば誰でも簡単に飼育を始められます。
今回、餌用・食品用に繁殖したい方のために自宅で簡単にできる繁殖方法をご紹介します。
コオロギの繁殖 ~自宅で出来るコオロギを増やす方法~

コオロギの価格はショップごとに異なりますが、約100匹で1000円くらいが一般的です(最近はグラムでの販売が多くなりました)。
ネット通販の普及でお手軽に入手できるようになりましたが、毎回購入すると出費がかさんでしまいます。
できることなら、自家繁殖を試してみるのも良いです。コオロギの繁殖はそれほど難しいものではなく、自家繁殖することでお金の節約にもなります。いくつか注意点はありますが、何事も経験なので、ぜひ挑戦してみてください。
コオロギの繁殖方法と手順
<必要なもの>
・コオロギ
・虫カゴまたは衣装ケース
・水入れ
・産卵用のミニ植木鉢または容器
・保温シート
1)コオロギを約50匹~100匹くらいを準備する。
2)虫カゴのレイアウトは、虫カゴの隅に隠れ家を置きます(卵の紙パックまたは新聞紙を丸めたもの)。それからエサ入れ(野菜)と給水器(鳥用の水入れ)です。そして、産卵のために土または湿ったティッシュを丸めて入れる。
3)成虫になると数日もしないうちにコオロギが卵を産みます。3日に1度は確認して、卵を別の容器に移し変える。
4)孵化まで1ヶ月前後です。温度は28度以上で、その間に霧吹き等で乾燥し過ぎないように適度に湿らせる。
はじめのうちは繁殖に苦労すると思いますが根気よく続けてください。
コオロギの繁殖での注意点
・寄生虫(ハリガネムシ)が湧くと全滅の恐れがあるため、コオロギの給水器は2日に1度は綺麗な水に替えて下さい。
・コオロギの餌となる野菜や粉末が腐ったりカビが生えると、虫カゴの中が不衛生になるので1日おきに捨てましょう。
・2週間に1度は掃除が必要です。コオロギの糞から硫黄が発生し、成体または孵化した幼体コオロギが全滅してしまうことがあります。生存率に大きく関わります。
カエルや爬虫類は活の良い餌に食いつきますので新鮮なコオロギの飼育は大切です!
コオロギが食べるもの
コオロギの餌は、以下です。
- 野菜(キャベツ、レタス、ナス、きゅうり)
- ペットフード(犬猫小動物の物でも可)
- 金魚のエサ(フレークタイプ)
一番良いのは野菜です。スズムシと同じくナスが大好物ですが、コオロギ専用に準備すると少し高くついてしまいます。その点、キャベツは水分を多く含んでおり、常温でも長持ちするのでおすすめです。
野菜では飼育ケース内が不衛生になる、または購入するのが大変という方は、ペットフードで代用できます。ペットフードには栄養成分がたっぷり含まれているため、コオロギの成長が早くなります。
固形フードを与える場合、野菜だけでも水分は補給できますが、必要に応じて給水器やボトルを設置してください。
コオロギの卵が孵化しない
繁殖を始めたけど、なかなか孵化しないよ!
土の入った植木鉢や湿ったティッシュを入れて置けば夜中のうちに産卵します。
毎日しっかりと霧吹きで湿らせたりして管理しているにも関わらず、何日経っても孵化しないことがあります。
・・・それはズバリ、温度が足りない!
コオロギの孵化には最適な温度があり、28度以上に温める必要があります。これをしないと、そのうち孵化せずに卵から異臭が発生してきます。
ちょっとしたコツ
ちょっとした繁殖のコツとしては、タッパーに卵を移したらタッパーの下に保温シートを敷きます。1日おきに確認してタッパー内が乾燥していたら霧吹きで湿らせます。この時、タッパーは完全に閉めずに半開きにしておくのがコツです(閉め切ると水滴が溜まり卵がダメになります)。これを繰り返すことで約1〜2週間後にコオロギの赤ちゃんが誕生するはずです。
ヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの比較表
コオロギの繁殖の際にどちらを選べばいいのか迷っている人のために、それぞれの比較表を作成しました。

飼育のし易さで言えば、ヨーロッパイエコオロギが初心者向けで簡単です。多少の温度差に強くて長生きします。また、ヨーロッパイエコオロギは、フタホシコオロギに比べて鳴き声が小さく隣人とのトラブル、家族の睡眠の妨げになりにくいです。


ヨーロッパイエコオロギは、茶褐色の形態をしています。清潔で見た目のグロさがないので素手で触る抵抗がなくなります。また、小ぶりな体長であるため、小型の爬虫類や両生類の餌として使い易いです。
コオロギ飼育例 -ヨーロッパイエコオロギ-

【必要なもの】
・水入れ
・エサ入れ
・隠れ家(トイレットペーパーの芯など)
・産卵場所(湿らせたティッシュ)
イエコの飼育例です。
配置方法は自由。ご自身でアレンジして見ください。
(写真:2017/7/19撮影)
コオロギの繁殖 生後1週間の幼体イエコオロギ

繁殖した幼体コオロギの赤ちゃんです。小さくて見えないかもしれませんが、キャベツの上に見えるのが生後1週間の幼体コオロギ(1mm)です。
(キャベツの中心にあるのは固形フードです)
孵化専用のタッパーを自作しています。パネルヒーターの上にタッパーを乗せています。この中に湿らせたティッシュと餌となるキャベツ、固形フードを少しだけ入れてあります。
(写真:2017/9/12撮影)

幼体コオロギの拡大写真。

幼体イエコオロギの拡大写真です。
固形フードにコオロギの赤ちゃんが群がっています。固形フードにはウサギの餌を与えています。
草食性のウサギの餌には野菜が多く含まれているのでおすすめです。
(写真:2017/9/16撮影)
コオロギの飼育例 -フタホシコオロギ-
続いてフタホシコオロギの飼育例をご紹介します。
ヨーロッパイエコオロギとの違いは?
栄養価としては、ビタミン・ミネラル・水分を含んでおり、それほど差はありません。爬虫類の餌用として用いる場合はどちらのコオロギでも問題ありません。フタホシコオロギはやや大きいため小型のカナヘビなどの餌としては与えづらいです。
繁殖方法はどちらも同じです。あとは個人的な好みによると思います。

飼育または繁殖方法は、基本的にヨーロッパイエコオロギと同じで大丈夫です。
隠れ家として新聞紙を丸めた物を入れています。新聞紙は消臭・吸湿・保温効果があります。
(写真:2017/9/20撮影)

見た目はゴキに似ており少し抵抗がありますが、1匹の栄養ボリュームは最高です。
(写真:2017/9/20撮影)
脱皮後のフタホシコオロギ

脱皮後は全体的に白っぽく、時間が経過するまで軟体になるため動きが鈍くなります。グロ・・・。
そのため、顎の力が弱いトカゲやカエルの餌として適しています。
(写真:2019/2/25撮影)
コオロギの鳴き声対策 近所迷惑・睡眠妨害

コオロギの鳴き声が気になる!なんとかしたい!
一人暮らし、一軒家ならばともかくマンション住まいや家族が多いと鳴き声がうるさくてトラブルになります。
また掃除をサボると臭いが酷くなります。そうならないように防音と消臭対策は必須です。
以下では、コオロギの鳴き声がどれくらいのものなのか他の音と比較しています。また、鳴き声と消臭対策についても解説しています。
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