(写真ACより)
コオロギは、どこからともなく聞こえてくる夏の風物詩です。全国各地に生息しており、都会の公園の草むらでも普通に見かけることができます。
最近では、コオロギを用いた商品開発やビジネスが各地で増えています。これらはペット用の餌としてではなく、人間が食用として利用するためのものです。
この記事では、コオロギの栄養価について触れた後、自宅でコオロギを繁殖させてヤフオクで販売し、ちょっとしたお小遣いを稼ぐ方法をご紹介します。
興味を持った方は、ぜひコオロギの繁殖と飼育方法を学んでみてください。
・コオロギの価値がわかる
・コオロギの繁殖方法がわかる
・余ったコオロギを売りたい人
コオロギの栄養価は高い?なぜ売れる?
コオロギの栄養価は非常に高いです。
日本では、コオロギはペットの爬虫類や両生類の餌として人気があります。その理由は、高タンパク質、ミネラル、水分を含む万能な昆虫だからです。
さらに、コオロギは高い栄養価だけでなく、成長が早く、雑食性のため餌に困らない点が世界中で高く評価されています。現在では、ペット用だけでなく、食糧難に備えて人間が食べるための様々な加工食品も開発されています。
コオロギの繁殖には少しコツが必要ですが、慣れれば簡単に繁殖させることができます。自宅で簡単に繁殖できるので、一緒に自家繁殖に挑戦してみましょう!
意外と多いコオロギを使った商品
アジア圏ではイナゴやコオロギをそのまま揚げて食べる文化が根づいています。日本ではまだコオロギの栄養価が注目されていなかったこともありそれほど浸透してはいません。
しかしながら、昔ながらの佃煮などの地元民ならではの商品は存在します。
コオロギで作られた食品
・コオロギを発酵させて作った調味料の醤油
コオロギのタンパク質を米麹の酵素で分解し旨味のグルタミン酸を引き出した商品。
・無印のコオロギせんべい
せんべいにコオロギの粉末を添加した商品。
・コオロギパウダー(調味料)
コオロギの粉末を調味料とした商品で見た目が気になる人にも高評価。
・スナック感覚のプロテインバー
プロテインバーにコオロギの粉末を混ぜたスティックバー。
売れるコオロギの種類
コオロギは国内で約11種類が存在します。海外の種類を合わせるとかなりの数になります。
しかし、主に売れやすいコオロギは決まっています。
- ペット用:フタホシコオロギ、ヨーロッパイエコオロギ
- 食用:エンマコオロギなど
ペット用として売り出したいのであれば、「フタホシコオロギ」、「ヨーロッパイエコオロギ」の2種類がおすすめです。
どちらも繁殖が容易でタンパク質・ミネラルに優れた昆虫です。
一方で、人間の食用として売り出したいのであれば、佃煮で有名な「エンマコオロギ」があります。
フタホシコオロギ(学名:Gryllus bimaculatus)
沖縄や東南アジアに分布する昆虫で大きさは成虫で約25mmに成長するコオロギの中でも大型な種類です。爬虫類や両生類の餌用としてペット愛好家に用いられています。見た目は黒色でややグロテスクな印象。繁殖が容易でアジア圏では食用として広く用いられています。
ヨーロッパイエコオロギ(学名:Acheta domesticus)
元々は西南アジアに生息し世界中に輸出されて国内に広まったと考えられています。成虫になると約16〜22mmの中型の昆虫。焦げ茶色をした見た目でフタホシコオロギよりも小柄で鳴き声も小さく、爬虫類等の餌用として人気です。ヨーロッパのフィンランドなどでは食用・加工として認可されている。
コオロギの繁殖の前に考えること
コオロギを大量に繁殖して販売を考えている場合、広いスペースが必要です。それなりの数の飼育ケージや環境(賃貸を借りる、部屋の一部を使う、ガレージや物置を使う)を整える必要があります。
(もし販売目的ではなく、個人で爬虫類などの餌用として繁殖したいのであれば、飼育ケージ1個分で十分です。)
また、コオロギは高い鳴き声を発するため、騒音問題が起きる可能性があります。さらに、コオロギから発生する臭い対策も必要です。都会のマンションのベランダなどで繁殖を始めると、すぐに苦情が来る可能性が高いです。
実践する前に、これらの点を頭の中でしっかりとイメージしておくことが大切です。
コオロギの繁殖方法
繁殖はそれほど難しいものではありません。
むしろ重要なのは繁殖した後にキープできるかです。
それではざっくりとですが、コオロギの繁殖方法について解説します。
コオロギの繁殖手順
コツを掴めば空いた時間で容易に飼育と繁殖ができるようになります。
(1)コオロギを購入する
ペットショップや通販でコオロギを100匹くらいを仕入れます。
コオロギの餌はキャベツやナスなどの野菜、果物の全般を食べます。
(2)コオロギに卵を産ませる
羽が生えてくると、羽を擦り合わせて音を出し交尾を始めます。
湿った土やティッシュなどの床材を置いておくと、メスは卵管を突き刺して産卵します。
成熟したメスは一度に100個以上の卵を産みます。ほぼ毎日産卵するため小さなタッパーに分けて格納します。
(3)コオロギを孵化させる


卵は約28〜30℃くらいにヒーターで温めると約15日後に孵化します。
幼体コオロギと成虫コオロギを一緒にすると、幼体が食べられてしまうため成長したら別のケージに移します。
コオロギは非常に大きな鳴き声を発します。数が多くなればそれだけ音が響きます。マンションやアパートでの飼育は控えるか防音対策は必須です。
コオロギの販売所(入手先)
ヤフオク、楽天市場、専門店、ペットショップ、ホームセンターで手に入れることができます。
事前に予約する必要がある店がありますのでネット通販で購入する方が楽です。
グラム単位で価格が決まるものから1匹数円で販売しているところもがあります。
ネット通販の例 : 50g = 1,000円くらい(送料は別)
ホームセンターの例 : 1匹 = 5円くらい
コオロギの売り方 ヤフオクで売る
一通りのコオロギの繁殖とストックができたら、いよいよ販売です。
ここではヤフオクで売る場合を例にします。
ヤフオクで販売できる生体は魚類・昆虫・両生類のみです。
ヤフオクでは生体の販売は禁止しています。生体とは、犬や猫、うさぎ、爬虫類などのことです。詳しくは生き物の取引についてを参考にしてください。
<用意するもの>
販売や発送に必要な物は以下。
業務用スーパーなどで素材を大量に仕入れて極力安く抑えると経費を節約できます。
・コオロギ
・ダンボール
・カップまたはタッパー
・計り
・緩衝材
・餌
販売数量を決める
まず、販売する数量を決めます。1匹ずつ数えてもいいですが注文者が殺到すると対応し切れなくなります。ここはグラム単位でいくらかを指定します。
死着保証を決める
例えば、タイトル:「50g=1,000円(20%増量中!)」
生体なので必ず数匹は死んでしまう可能性があります。この場合は死着保証するのか、事前に増量して発送するのか決めておきましょう。
発送準備 グラム計り
注文が入ったら発送希望日を確認して死着を減らすため発送当時のうちに発送準備を行います。
ダンボールに穴を開けて空気孔を作ります。
業務用のカップまたはタッパーにコオロギを入れて計りでグラム計算します。
一緒に餌を入れてダンボールに詰めます。
夏場は出来るだけ早く到着するようにし、冬場はホッカイロを入れるなどの対策をしましょう。
ご自身でブレンドした人工フードをオプションで販売するのことも可能です。
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