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SHEIN

ハムスター・犬などの動物は痛みを感じるのか

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ペットを飼っている方のための動物たちが感じる痛みについてのコラムです。

・ペット、動物の痛覚への理解

痛みの受容

私たちがふとした瞬間に感じる痛み

例えば、暑いカップを触った時の反射運動や、身体の内部から来る急な違和感などです。痛みは神経を通して脳へ伝わり、痛みを認識させた後に反射運動が行われる仕組みになっています。

このような感覚のおかげで、私たちは命の危険やリスクを事前に回避することができます。

動物もまた、人間と同じように生命の枝分かれの末に生まれた生き物です。

私たちが飼っているハムスター、犬、猫、爬虫類、魚類などの生き物も同じような感覚を持っています。

彼らがどのような時に痛みを感じ、どのような意味を持っているのかを見ていきます。

動物たちも痛みを感じる

Sad Dog

私たちの身近にいる愛玩動物もまた痛みを感じています。

これは野生からの本能であり、痛みを感じることで危険を事前に回避しています。

よく ”動物は痛みを感じない” ということを耳にします。おそらく野生動物にとって生命に関わることだからだと考えられます。

これは痛みを知覚できないのではなく、弱い姿や素ぶりを見せてしまうと天敵から狙われるリスクが高くなります。

こういった自然の厳しさを生き抜いて来たからこそ動物たちは自らの懐を見せないように警戒しているのでしょう。

動物たちが痛みを感じる証拠

動物たちは人間とは別の感覚器や神経伝達経路を経て何かしらの痛覚的な感覚を持ち合わせていると考えられています。

人間のように言葉で痛みを伝えることができないため、真意を確かめるには科学的なアプローチが必要になります。

これらが必ずしも ”動物が痛みを知覚できる” という訳ではありませんが、動物の行動や動物実験から言える痛みの証拠を探って行きます。

犬が痛みを感んじる証拠

犬は人間と最も近い存在の愛玩動物です。

犬の賢さの評価というような行動学の研究が盛んに行われています。そして、毎年数十万匹の犬が獣医のもとを訪れています。

急性・慢性を問わずに疾患に対する治療が行われており、獣医の間では痛みの性質に応じた適切な治療を施すことへの関心が高まっています。

犬は人間ほどに痛みを強くは感じていないかもしれませんが、痛みに対して食事の回数が減ったり、行動が少なくなったりといった明らかな変化が表れます。

このような変化はストレスとも結び付けられることがありますが、まだ良く解明されていない部分が多いです。

ハムスター(マウス)が痛みを感んじる証拠

ハムスターは愛くるしい仕草が人気の愛玩動物です。

げっ歯類の中でもかなり臆病で温厚な性格で初心者向きなペットです。

痛みに関しては強い威嚇と抵抗を見せます。例えば、”チュー” や ”ジー” という普段は見せないような鳴き声を発することがあります。

これらが痛みによるものなのか見解が分かれるところではありますが、現在では痛みと触覚の反応、神経伝達物質と痛みの知覚等の研究が行われています。

トカゲが痛みを感んじる証拠

Zebra-tailed Lizard

トカゲは天敵と合間見えると自切してその場から逃れようとします。

また手足を損失した時に流血と共に悶える仕草を見せます。

このことからトカゲは痛みを感じているように捉えることができます。しかし、多くの研究者の間では痛みを感じているのか疑問を投げかけています。

それは第一に爬虫類は皮質(人間でいう大脳にあたる部位)が欠けていることにあります。

皮質は人間を含めた霊長類が知性や知覚を多く感じる部位であり、それがないということは人間や哺乳類が感じるような痛みの受容とは異なることを意味しています。

第二に皮質は人間や哺乳類で発達している器官で強い痛みを感じた際に悶えるような様々な反応を見せます。しかし、爬虫類はそのような仕草を見せることは稀でその場で凍ったように身構えます。これは爬虫類で皮質がないことに関係していると考えられます。

しかしだからと言って爬虫類で痛みを知覚できないとは言い切れません。爬虫類は人間や哺乳類とは違った方法で痛みを認識しています。

多くの研究では痛みと鎮痛の相互関係を調べる研究が行われており、火傷して動かなくなった拒食中のトカゲに鎮痛剤を投与したところ以前のような活動と捕食を示したという例があります。

参考文献(※1, ※2)

まとめ

結果的に動物たちは痛みを感じている反応を見せることが分かりました。

しかし、それが痛みによる反応なのか反射的なものなのかまた別の要因が起因していることなのか見解が分かれています。

そして、これらはあくまでも実験した動物にのみ言えることです。全ての種類の動物が同じ痛みの受容を持っているとは限りません。

上記の例ではまだよく解明されていない部分が多く、痛みに関して人間と同じ見方では測ることが難しいです。

また単純に痛みの閾値レベルが異なるのかもしれません。今後の科学的な研究が発展することを祈ります。

最後にペットを飼う多くの人達に言えることとすれば、ペット達は人間と意思疎通を図ることができません。そのため、人間の一方的な主観で判断することは避けた方が良く、日頃の体調管理・仕草・なぎ声などのちょっとした変化から異常を素早く見つけて専門の病院で見せることが大切と言えます。

<参考文献>

(※1): https://www.myreptileblog.com/do-lizards-feel-pain-how-do-we-know-if-they-are-in-pain/
(※2): Perry SM, Nevarez JG. Pain and Its Control in Reptiles. Vet Clin North Am Exot Anim Pract. 2018 Jan;21(1):1-16. doi: 10.1016/j.cvex.2017.08.001. PMID: 29146025.

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