絶滅したはずのニホンオオカミ・・・。
もしまだ生きていたらと思うとワクワクしませんか?
かつて、ニホンオオカミは日本の本州、四国、九州に生息していました。そして古くは縄文時代からいたことがわかっています。
しかし、ニホンオオカミは1905年(明治38年)の奈良県の東吉野村鷲家口の目撃情報を最後に絶滅したと考えられています。
果たして、本当にニホンオオカミは絶滅してしまったのでしょうか。
今回、ニホンオオカミが絶滅に至った経緯やもしまだ生息しているとしたらどこなのかという疑問を考えていきます。
ニホンオオカミの特徴
以下、ニホンオオカミの剥製です。
新発見のニホンオオカミ倉庫に眠っていただけあって常設のニホンオオカミと比べるとボロボロさがある#国立科学博物館#大哺乳類展3 pic.twitter.com/YTkR91TZls
— キンケツゥ・ナウ (@StarPredator247) June 15, 2024
もう実物を見ることはできませんが、剥製から見ても海外にはいないような愛くるしく穏やかな顔つきをしているのがわかります。
20世紀初頭に絶滅したと言われている小型〜中型のイヌ科の動物です。体長は約100cm、尻尾がやや長く約30cm、体重は約15kgの中型犬の犬と同じような体型でした。
夏と冬で毛色が変化して周囲の環境に溶け込んだり、群れで狩りをしていたと考えられています。
絶滅した理由とは?
ニホンオオカミが絶滅した理由はなんでしょうか。
害獣として扱われた
害獣とは人間や家畜に悪影響を与える動物のことです。
森林伐採で生息地が縮小することで人里に降りて来ては家畜を襲うようになって、人々から害獣として認識されました。その結果、駆除の対象となりました。
狂犬病による自然死
もう一つは、外部から持ち込まれた犬から伝染した狂犬病がニホンオオカミの間で蔓延し、その結果として絶滅に至った可能性もあります。
ウイルス感染症の防止
ジステンバーという主に犬が感染するウイルスが家畜に害を及ぼすのではないかという理由から積極的な駆除の対象になったと考えられます。
過去の生息地からニホンオオカミの生存場所を予測
もしニホンオオカミが生きていたらと考えると夢が広がります。
日本の森の深い何処かでひっそりと生きていてくれたらと願うばかりです。果たして、もうニホンオオカミを生で見ることはできないものなのか。
そこで過去のニホンオオカミの生息地から現在分布している可能性がある場所を予測してみようと思います。
ニホンオオカミは過去に日本の本州、四国、九州に生息していました。
過去に目撃例があった確実な場所は以下の3カ所です。
- 奈良県(1905年)
- 福井県(1910年)
- 群馬県(1910年)
(括弧内は最終目撃年を示しています。)
しかし、現在ではその生息地の大半は失われており、ニホンオオカミの絶滅は確かなものだと思わざるを得ません。もしニホンオオカミが現在でも存在していたら、その生息地はきっと人が簡単に足を踏み入れることができないような場所だと考えられます。
例えば、自然保護区や山岳地帯などである可能性があります。
近年は環境変化が激しく、森林内の状況も変わっているため、クマでさえも人里に降りて来ては問題になっています。
科学的な法則の観点から考察すると・・・
種の存続には昔から「50-500則」という法則があります。
これは野生の個体群が約100年間に種を維持するために最低限必要な個体の数を表しています。種の種類や環境により異なりますが、近親交配の影響も考慮して500個体は必要であると考えられています。
また、種の多様性の維持には種が存続に必要な広大な自然が必要です。ニホンオオカミの生息範囲も森林開発等で少なくなっています。
そのため、ニホンオオカミが生存している可能性は極めて低いですが、今後の捜索や研究で新たな骨や毛皮の発見されることを待ちましょう。
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